現在小学校の個別級・個別支援学級に在籍していて、「このまま中学校も個別級に進学してよいのか」「将来の高校進学や進路の幅が狭くならないか」と不安になる保護者の方は少なくありません。
大切なのは、学びの場をどうするかと、学年相当の勉強にどこまで近づけるかを分けて考えることです。中学校で個別支援学級を選ぶこと自体が、すぐに進路を閉ざすわけではありません。一方で、小学校高学年のうちに読み書き、計算、文章題、英語の入口、提出物の習慣を整えておくと、中学以降の選択肢は考えやすくなります。
「個別級にいること」より「何を学べているか」が大切です
個別級、通常級、通級、交流及び共同学習のどれを選ぶかだけで安心・不安が決まるわけではありません。本人が安心して学べる環境の中で、どの教科をどの学年の内容まで扱うか、将来につながる力をどう残すかを具体的に見ていきます。
この記事で分かること
中学校も個別級でいいか不安になる理由
小学校では少人数の個別支援学級で落ち着いて学べていても、中学校が近づくと不安の種類が変わります。学習内容が急に難しくなり、定期テスト、提出物、内申、高校進学という言葉が見えてくるためです。
- このまま中学校の個別級に進むと、高校進学の選択肢が狭くならないか
- 通常級の授業についていけないまま、中学内容に入って大丈夫か
- 小学校の学習内容に抜けがあり、学年相当の勉強から離れている気がする
- 中学校で定期テストや提出物をこなせるか分からない
- 特別支援学校だけでなく、他の高校や将来の進路も考えたい
不安を一つの答えに押し込まない
「通常級に移れば安心」「個別級なら安心」と単純に分けると、本人の負担や学習の抜けを見落とすことがあります。今考えるべきことは、進路を広げるために、どの環境で、どの学習を、どの順番で積み上げるかです。
学びの場と学習内容は分けて考えます
文部科学省は、通常の学級、通級による指導、特別支援学級、特別支援学校などを、連続性のある多様な学びの場として整理しています。横浜市でも、市立小・中学校に個別支援学級が設置され、個々の障害の状態や程度に応じた少人数の学習が案内されています。
つまり、どこに在籍するかだけでなく、本人に必要な支援と学習内容をどう組み合わせるかが重要です。中学校の個別支援学級に在籍しながら、教科や活動によって通常級との交流及び共同学習を行うケースもあります。
安心して学べる場所
人数、音、予定変更、人間関係、先生への相談しやすさなど、本人の負担が少ない環境を見ます。
扱っている学習の学年
個別支援学級でも、どの教科をどの学年の内容で学んでいるかは確認が必要です。
中学・高校への見通し
中学校で必要になる定期テスト、提出物、進路相談まで、早めに見通しを持ちます。
公式情報で確認したいこと
学びの場の判断や相談手続きは地域によって異なります。横浜市の場合は、個別支援学級や通級指導教室、特別支援学校に関する相談窓口が案内されています。就学先や在籍の変更は、在籍校や教育委員会の情報を確認してください。
小学生のうちに確認したい学年相当の勉強
「学年相当についていけるようにしたい」と言うと、全教科を完璧に戻すイメージになりがちです。しかし中学進学に向けては、まず積み上げの土台になる単元を優先します。ここが整うと、中学校の授業や高校進学の話を具体的に考えやすくなります。
読んで要点を取る
短い文章の主語・述語、理由、気持ち、説明文の要点を確認します。書く量より、意味を取れるかを見ます。
割合・分数・小数
中学数学につながる計算、単位、割合、速さ、表やグラフを優先します。文章題は図にする練習が有効です。
アルファベットと語順
中学校で急に苦しくならないよう、文字、音、基本単語、短い文の形に慣れておきます。
- 漢字を全部覚えるより、短い文を読んで意味を説明できるかを見る
- 計算ドリルだけでなく、分数・小数・割合の意味を確認する
- ノートをきれいに書くことより、問題の手順を残せるかを見る
- 英語は中学入学前にアルファベットと短い文へ触れておく
- 宿題、持ち物、提出期限をメモする練習を始める
中学進学前に学校へ相談したいこと
小学校6年生になってから慌てて決めるより、小学校高学年のうちに、在籍校と中学校へ確認したいことを整理しておくと安心です。本人の状態を知っている小学校、進学先の中学校、必要に応じて教育相談の窓口をつなげて考えます。
中学校の学び方
個別支援学級、通常級、通級、交流及び共同学習の組み合わせを確認します。
どの内容を扱うか
主要教科で学年相当の内容をどの程度扱うか、苦手教科はどう調整するかを聞きます。
中学卒業後の情報
特別支援学校以外の進路も含め、いつから情報収集を始めるかを確認します。
聞き方の例
「将来の高校進学や進路の幅も考えたいので、中学校ではどの教科をどの学年の内容で学べますか」「通常級との交流や教科別の参加は、どのように判断されますか」と聞くと、環境と学習内容を分けて相談しやすくなります。
家庭で準備できる学習の戻し方
家庭では、全教科を一気に学年相当に戻そうとしないことが大切です。本人が「またできなかった」と感じる量にすると続きません。まずは中学校で困りやすい単元を少量で確認し、できる形を増やします。
今の位置を見つける
小4、小5、小6のどこで止まっているかを教科ごとに見ます。戻ることは遠回りではありません。
毎回の終わりを短くする
10問より3問、30分より10分など、抵抗なく始められる量から積み上げます。
提出物の練習もする
中学校では分かるだけでなく、期限までに出す力も必要です。メモ、チェック、声かけの形を作ります。
最初の目標は「学年相当を全部」ではありません
まずは、文章を読んで何を聞かれているか分かる、分数・小数・割合の基礎を説明できる、英語に強い拒否感なく触れられる、宿題や持ち物を一緒に確認できる状態を目指します。これだけでも中学校への接続は変わります。
家庭教師で支援できること
ネクスタでは、個別級・個別支援学級に在籍しているお子さまについて、学びの場を決めつけるのではなく、今の学習の現在地と中学進学後に必要になりそうな力を整理します。元横浜市教員が、学校への相談で確認したいこと、家庭で戻す単元、本人に合う説明方法を一緒に考えます。
発達特性や読み書きの苦手さがある場合も、診断名だけで進め方を決めません。学年相当の勉強に近づけるために、本人が取り組める量と順番に調整します。
中学校の個別級に進む前に、学習の現在地を整理します
将来の進路の幅を広げたいけれど、学年相当の勉強についていけるか不安な場合は、保護者の方だけの相談でも大丈夫です。今戻す単元と、学校へ確認することを一緒に整理します。