初回授業の目標は、単元をたくさん進めることではありません。生徒が安心して「分からない」と言えるか、どの説明が入りやすいかを知り、次回の計画を作ることです。
この記事で分かること
- 最初の10分は、短い自己紹介と今日の流れの共有に使います。
- 簡単な課題を一緒に解き、正答数より考え方を観察します。
- 予定外のことが起きたら、授業量を減らして対応します。
- 終了後は、できたこと・次回・家庭での一つを報告します。
初回60分の一例
| 時間 | すること | 確認すること |
|---|---|---|
| 0〜10分 | 自己紹介、今日の流れ | 呼ばれたい名前、緊張、休憩の伝え方 |
| 10〜20分 | 教材・学校進度・困りごと | 宿題、テスト、本人が変えたいこと |
| 20〜45分 | 簡単な課題を一緒に解く | 説明の入り方、書く負担、質問のしやすさ |
| 45〜55分 | できたことと難しかったことを整理 | 本人の感想、次回の希望 |
| 55〜60分 | 次回確認、保護者への報告 | 課題、日時、共有事項 |
時間は目安です。会話を負担に感じる生徒には、質問を減らし、選択肢や紙で答えられるようにします。
最初の声かけ
「今日は、教材を見て、一緒に一問やって、最後に次回を決めます。途中で休みたいときは言ってください」と見通しを伝えます。「得意教科は?」で答えにくければ、「数学と英語なら、今日はどちらからがよさそう?」と二択にします。
生徒が話さないとき、質問を重ねません。「話さなくても大丈夫。教材を見ながら決めよう」と伝え、指差しや筆談を選べるようにします。沈黙を急いで埋めないことも大切です。
予定外のときの対応
教材を忘れた
叱らず、学校進度を聞き、手元にあるノートや基礎問題で確認します。次回の持ち物を一つに絞ってメモします。
問題が難しすぎた
一つ前の例題まで戻るか、講師が途中まで書いて続きを選んでもらいます。「簡単にするのは恥ずかしいことではない」と伝えます。
勉強を拒否した
理由を問い詰めず、5分休む・教材を選ぶ・今日は状況確認にする、のように選択肢を出し、無理に押し切りません。
保護者への報告例
「今日は数学の正負の数を確認しました。計算自体は理解していて、問題文が長いときに手が止まりました。例題を一行ずつ区切ると自分で進められました。次回も同じ方法を試し、宿題は2問にしています。」
本人の前で「やる気がない」「基礎が全くない」と評価しません。事実、うまくいった方法、次回の計画を短く伝えます。家庭内の心配を聞いた場合は、秘密を独断で約束せず、代表へ相談します。
初回授業後の記録
- 扱った範囲と理解の様子
- 生徒が話した希望や困りごと
- うまくいった説明・負担が高かった方法
- 宿題と次回の計画
- 代表へ相談したいこと
記憶だけに頼らず授業当日に記録します。次回は初回の成功した方法を一つ再現し、安心して始められる流れを作ります。
初回に持っていく・準備するもの
- 筆記用具、時計、授業記録の様式
- 予定範囲の解答と、講師自身の解き直しメモ
- 難易度を下げた問題と、余裕がある場合の問題
- 今日の流れを短く書いた紙
- 代表への連絡方法、訪問先までの経路
自分の教材を大量に持参するより、まず生徒が学校で使っている教科書、ワーク、プリントを見ます。ノートの書き方を直すことから始めず、本人がどの資料を見れば思い出しやすいか確認します。
授業終了時は宿題を一方的に決めず、「次回までにできそうなのはどれ?」と相談します。保護者への報告後、話した内容と次回の約束を記録し、要望が契約や指導方針に関わる場合は代表へ共有します。
授業前後の確認に使う
記事の手順は、そのまま全員に当てはめる規則ではありません。授業前に一つ選び、授業後に「何を試したか」「生徒の反応」「次回どうするか」を3行で記録してください。うまくいかないときは、別の方法に変える前に代表へ事実を共有します。
学習以外の心配や安全に関わる情報を受け取った場合、講師が一人で判断・対応せず、連絡手順に沿って相談します。具体的な迷いを持ち寄ることが、研修とサポートを実際の指導に生かすことにつながります。
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